サッカー界のレジェンド・三浦知良選手が、来季も現役続行の意志を示しました。
チームは地域リーグへ降格する悔しい結果となりましたが、カズは深く頭を下げ、支えてきた人々への思いを語っています。
来年2月には59歳を迎える中でも、「どんなことがあっても諦めず前を向く」と挑戦を続ける姿勢は健在です。
この記事では、キングカズがなぜ今も現役にこだわり、プレー以外でもチームにどんな価値をもたらしているのか、その理由を分かりやすく解説していきます。
三浦知良はお荷物ではない！
まず大前提として、単純に「使える／使えない」という二元論では計れない価値が存在します。
ピッチ上でのプレー時間やゴール数だけを見れば、若手と比較して数字で劣る場面はあります。
しかし、クラブ経営、集客、メディア露出、若手選手への影響という視点を加えると、彼がチームにもたらす総合的な価値は明確に存在します。
選手としての直接的な貢献だけで評価するのは短絡的。象徴的存在としての役割も含めて考える必要があります。
三浦知良はなぜ引退しないのか?
三浦知良が引退しない理由①：三浦知良と契約するチームがある
クラブ側が彼を必要とし、契約を結び続ける限り、選手としての立場は維持されます。
実際に年俸面でも一定の条件を満たす契約が存在し、「年俸は1000万円！」といった報道が出るケースもあります（クラブや契約内容によって差があります）。
クラブ側のメリットとしては、観客動員の増加、スポンサーやメディアの注目、地域活性化などが挙げられ、経済的な側面での相互メリットが成立しています。
三浦知良が引退しない理由②：夢破れて、引退のタイミングがない
サッカー界の第一線で長く活躍してきた三浦知良選手ですが、現役生活の中で唯一叶えられなかった大きな夢があります。
1998年フランスW杯では、日本代表の立ち上げから貢献したにもかかわらず、本大会直前のメンバー選考で落選。
この出来事は“カズ落選”としていまも語り継がれるほど衝撃的なもので、本人にとっても大きな節目となりました。
その後も「いつかW杯のピッチに立ちたい」という気持ちを胸に、現役にこだわり続けてきたカズにとって、自然と「引退のタイミングを見つけられない」状態が続いているのではないかと予想されます。
夢を追い続ける姿勢こそが、彼が今もサッカーを続ける原動力になっているのかもしれません。
三浦知良が引退しない理由③：引退後の道筋が“あえて”定まっていない
多くの元選手が監督・指導者・解説者へと進む中で、カズさんは
「自分の人生はサッカーとともにある」「現役でいることが自分の生き方」
と口にしており、あえて “引退後の具体的な道” を作っていません。
監督やクラブスタッフとしての活動は評価される可能性が高いにもかかわらず、そうした道に踏み出さないのは、まだ“選手としての自分”を終わらせる決意がないからです。
新たな肩書を得てしまえば、現役生活には自然と区切りがつきます。
しかしカズさんは、その区切りを今は必要と考えていません。
引退後の未来を決めることは、彼にとって“サッカー選手としての終わりを受け入れること”と同義。
だからこそ、その道筋はあえて曖昧なままにし、現役であり続ける選択をしているのです。
三浦知良が引退しない理由④：チームへの貢献がプレー以外にもある
ピッチ上で攻撃の中心になる以外にも、以下のような影響を与えていカズさんがクラブに在籍する最大の価値は、必ずしもプレー時間だけではありません。
試合出場が限られる年であっても、チームのメディア露出、スポンサー効果、地域への貢献度は絶大です。
実際、アトレチコ鈴鹿が話題になったとき、多くはカズさんの存在によるものでした。
練習場でも若い選手に声をかけ、誰よりも早く来てアップを始める姿勢は“チームの象徴”そのものです。
カズさんの存在が選手の士気を高め、クラブにとって精神的支柱になっているのは間違いありません。
さらに、降格が決まった試合後にはサポーターへ深く頭を下げ、悔しさで立ち上がれない選手に手を差し伸べる姿も報じられました。
カズさんがいるだけでクラブの価値が上がる――その影響力は、単なる選手の枠を超えています。
だからクラブ側も簡単には「引退してください」と言えませんし、本人も「まだチームの役に立てる」と感じているため、現役続行を選び続けているのです。
三浦知良が引退しない理由⑤：サッカーが好き！その気持ちは誰よりも強い
若い頃に単身ブラジルへ渡り、道端で寝泊まりしながらプロを目指した情熱は、59歳を目前にした今もまったく薄れていません。
インタビューでも
「毎日サッカーのことを考えている」
と語るほどで、練習のハードさを理由に弱音を吐くこともありません。
さらに、年齢を重ねるほど“サッカーへの愛情”が強まっている様子すら見られます。
怪我が増えた今季についても反省点を語りつつ、「また来季へ向けて自主トレを始める」と言い切る姿からは、辞める理由より、続けたい理由のほうが圧倒的に多いことが伝わってきます。
最終的にカズさんの現役続行を支えているのは、
「サッカーが大好きだから」
このシンプルで強力な思いに尽きます。
三浦知良の現在のレベルは？
2024〜2025シーズンも出場は数分から10分程度にとどまり、コンスタントに試合へ絡む状況ではありません。
これは、JFL（J3相当より下のカテゴリー）の中でも“戦力としての起用”ではなく、“象徴としての起用”に近い立ち位置であることを示しています。
三浦知良の実際の技術レベルは？
現場関係者の評価を総合すると、現在のカズさんのプレーレベルは次のような位置づけが現実的です。
- Jリーグ（J1・J2）で通用するレベルではない
→ スプリント、寄せの速さ、球際の強度が現代のJリーグ基準に達していないため。 - J3でもフルシーズンの出場は難しい
→ 途中出場限定なら可能性はあるが、戦力として計算される段階ではない。 - JFLでは「象徴的存在としてベンチ入りできる」レベル
→ 戦術の中心にはならないが、チームの求心力・集客力としてプレー以外の価値を持つ。
技術そのものは大幅に衰えており、試合のスピードにもついていくのが難しい場面が多く、
実戦での数字（ゴール・アシスト）が長年残っていないことも事実です。
三浦知良は比較で言えばどのレベル？
読者がイメージしやすい比較に落とし込むと、次のように言えます。
- 現代サッカーの高校トップレベル（青森山田・静岡学園など）のFWより下
→ 彼らのほうがスピード・体力・球際の強度・運動量が高い。 - 大学サッカーのレギュラークラスよりも下
→ 競技としての強度に差がある。 - JFLの中でも“戦力として計算されるFW”よりも下
→ 出場時間やプレーの影響力から見ても明らか。
つまり、現在の三浦知良さんは、
「JFLで象徴的存在として在籍できるが、戦力として主軸になるレベルではない」
というのが最も現実に即した評価です。
三浦知良はなぜ現役を続けられるのか？
その理由は明確です。
- カズさんに対する“ブランド価値”
- メディア露出によるクラブへの経済的メリット
- 若手への精神的影響
- クラブ側も「功労者」として扱いたいという事情
こうした背景があるため、純粋に「競技レベルだけで判断されている選手」ではありません。
三浦知良の現役続行に対する世間の声
一方では「いつまで続けるのか」といった厳しい声や「いい加減にしてほしい」といった批判的な意見も根強くあります。
これは主に競技としての合理性や若手の出場機会を重視する視点から出てくるものです。
他方で「続けることで勇気を与える」「観客を呼べる」といった肯定的な意見や、彼の姿勢に敬意を示す声も多くあります。
こうした肯定派は、単なるパフォーマンス評価を超えた文化的・情緒的価値を重視する傾向があります。
両方の立場に一定の理があり、単純な白黒論で結論を出すのは避けるべきです。
まとめ
三浦知良選手が現役を続ける背景には、単一の理由ではなく複数の要因が複合的に絡み合っています。
クラブとの契約、経済的効果、個人的な夢や動機、引退後の選択肢の不確かさ、そして何よりもサッカーへの愛です。
これらを総合して考えれば、「単にお荷物だ」と断じるのは短絡的です。
一方で、ファンや関係者が納得する形でのキャリア終結を迎えるためには、本人・クラブ・関係者による丁寧な議論と準備が必要です。
感情論だけで片付けず、それぞれの立場から建設的な対話が進むことを願います。
